
七十二候:楓蔦黄/季語:蹴鞠・時雨
平安の貴族の運動といえば、まず蹴鞠です。
鹿の革で作った鞠を、右足の甲で蹴り上げ、落とさずに続ける。勝ち負けはありません。 何人で何回続けられたかを楽しむ、協力の遊びです。
庭の四隅には、桜・柳・楓・松を植えます。これを懸(かかり)といい、この四本の内側が鞠を蹴る場になりました。鞠を高く上げすぎず、木に当てず、隣の人が受けやすいところへ返す。
つまり蹴鞠の巧拙は、相手が蹴りやすい球を出せるかで決まります。自分が上手く蹴ることではなく、次の人が続けやすいように蹴ること。
千年前の球技が、勝敗ではなく継続を競っていた。この一点だけでも、覚えておく値打ちがあると思います。
今日の一語 懸(かかり)…… 蹴鞠の庭の四隅に植える木。桜・柳・楓・松の四種と決まっていました。

