
七十二候:鶺鴒鳴/季語:初茸・松茸・茸狩
秋の山の恵み。松茸、初茸、占地(しめじ)、平茸。
平安の貴族も松茸を知っていました。『今昔物語集』にも茸の話が出てきますし、貴族が「茸狩(たけがり)」に出かけたという記録もあります。都の近くの山へ出向き、その場で採って食べる。行楽です。
ただし、当時の松茸は今ほど珍しいものではありませんでした。松林が身近にあり、山も人の手が入っていた。松茸が高価になったのは、燃料が薪から変わり、松林の手入れが止まってからのことです。
つまり松茸の値段は、山と人の距離を測る物差しでもあります。安かった時代のほうが、山は近かった。
香りを楽しむ食べ方は、当時から変わっていません。
今日の一語 茸狩(たけがり)…… 茸を採りに山へ行く秋の行楽。「狩」は獣を追うことに限らず、採りに出かけること全般を指しました。

