
七十二候:綿柎開(わたのはなしべひらく)/季語:処暑・残暑
「処」は、とどまる、やむ、という意味です。暑さがやむころ。
立秋で秋が立ち、処暑で暑さが収まり、白露で露が白くなり、秋分で昼夜が等しくなる。二十四節気は、階段のように季節を下りていきます。
そして今日からの候が、少し変わっています。「綿柎開」——綿の柎(はなしべ=萼)が開く。
綿の実がはじけて、白い綿が顔を出すころ、という意味です。日本の七十二候に、栽培植物の名がつくのは珍しい。 稲の実り、綿の開花。人が作っているものが、季節の名になっている。
もっとも、木綿が日本に広まるのは中世以降です。平安の人は、木綿を知りませんでした。彼らの「綿」は、真綿——絹の綿のことです。
同じ字で、中身が入れ替わっている。
今日の一語 真綿(まわた)…… 繭を広げて作る絹の綿。平安で「わた」といえば、こちらのことでした。

