
七十二候:寒蝉鳴/季語:蜩・ひぐらし・法師蟬
「寒蝉」と書いて、ひぐらし。夏の盛りの蟬とは違い、朝と夕暮れにだけ鳴く蟬です。カナカナカナ、と。
面白いのは、蜩が秋の季語だということ。実際には七月から鳴いているのに、あの声を秋のものとした。理由は、たぶん時刻です。日が傾いてから鳴く。 一日の終わりに鳴くものを、一年の終わりに向かう季節に配した。
蜩は、明るさに反応して鳴きます。だから曇った日には昼でも鳴く。暗くなってきた、と感じると鳴きはじめるのです。
季節ではなく、光を聞いている虫。 それを人は、秋の声と呼びました。
夕方、耳をすませてみてください。
今日の一語 蜩(ひぐらし)…… 日を暮らす、が語源といわれます。名前の中に、鳴く時刻が入っています。

