
七十二候:蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)/季語:更衣・後の更衣・秋袷
平安の更衣は、年に二度。四月一日と、十月一日です。今日がその日にあたります。
そして更衣は、着るものだけの話ではありませんでした。装束を夏のものから冬のものへ改めると同時に、御簾を替え、几帳の帷(かたびら)を替え、褥(しとね=敷物)を替え、屏風を入れ替える。人の装いと部屋のしつらえが、同じ日に一斉に冬になるのです。
つまり更衣とは、暮らしまるごとの模様替えでした。
もうひとつ。「更衣」は、天皇の後宮の女性の位の名でもあります。 『源氏物語』の桐壺更衣の、あの更衣です。もとは天皇の御衣を更える役目に由来する呼び名でした。
衣を更えるという行いが、季節の節目の名になり、人の位の名にもなった。それだけ大切な仕事だったということです。
今日の一語 更衣(こうい/ころもがえ)…… 衣を更えること。読み方によって、季節の行事にも、後宮の位にもなります。

