
七十二候:草露白/季語:秋の七草・萩・尾花・女郎花
春の七草は食べるもの。秋の七草は、見るものです。
萩(はぎ)、尾花(おばな=薄)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)。この七つを選んだのは、万葉の歌人・山上憶良(やまのうえのおくら)でした。秋の野に咲く花を指折り数えたら七種あった、という趣旨の歌を残しています。
食べられるかどうかで選んでいないところが、この七草の値打ちです。役に立たないものを、わざわざ七つ選んで数え上げる。
そして選ばれた七つは、どれも派手ではありません。萩も薄も桔梗も、野にまぎれている花です。目立つものではなく、目を留めれば見えるものを選んだ。日本の美意識の、かなり最初のほうにある選択だと思います。
今日の一語 尾花(おばな)…… 薄(すすき)の穂のこと。獣の尾に見立てた名です。「花薄(はなすすき)」ともいいます。

