
七十二候:山茶始開/季語:小春・冬めく
十月二十二日に、桓武天皇が新しい都へ移りました。それから半月あまり、延暦十三年十一月八日、詔(みことのり)が下されます。
この都を、平安京と名づける。
同じ詔で、山背国(やましろのくに)の字も改められました。「背」を「城」に替えて、山城国。山に囲まれた、城のような土地という意味です。
移った日と、名づけた日が別にある。ここが面白いところです。まず移り、住みはじめてから、名前をつけた。 名前は、これから何であってほしいかの宣言です。平安——争いがなく、安らかであること。
その名のとおりの千年だったかといえば、そうではありません。それでも、この名で呼び続けました。
九月二十一日に、名を知られることの重さをお話ししました。都の名も、同じです。
今日の一語 平安(へいあん)…… 争いなく安らかなこと。願いを名前にして、時代の名にまでなった二文字です。
