
七十二候:楓蔦黄/季語:紅葉・黄葉・照紅葉
楓や蔦が色づくころ。
面白いのは、「もみじ」がもともと動詞だったことです。「もみづ」——草木の葉が赤や黄に色を変える、という動詞。その連用形が名詞になって「もみぢ」になりました。つまり本来は、楓という木の名前ではなく、色が変わるという現象そのものを指す言葉です。
だから万葉集では「黄葉」と書いて「もみち」と読ませます。当時は黄色が主でした。赤い楓を「紅葉」と書くようになるのは、平安以降のことです。
色が変わることに動詞を用意し、その動詞から名詞を作った。日本語は、移り変わりのほうを先に言葉にする癖があります。
今日の一語 もみづ…… 葉が色づく、という動詞。「もみじ」は、この動詞から生まれた言葉です。
