10月4日|〔平安の一生 ③〕五十日の祝(いかのいわい)

五十日の祝

七十二候:水始涸/季語:秋澄む・冷やか

九月の誕生と名づけの続きです。

生まれて五十日目に、五十日の祝という行事がありました。この日、餅を用意します。そして親が、その餅をほんの少し、赤子の口に含ませるのです。

まだ食べられるはずがありません。乳しか飲めない赤子です。それでも餅を口に当てる。これは食べさせる行事ではなく、「この子はこれから穀物を食べて生きていく者だ」と決める行事でした。

『紫式部日記』にも、若宮の五十日の祝の場面があります。道長が餅を含ませ、御前に人々が居並び、夜が更けるまで宴が続く。式部はその夜、少し離れた場所からその賑わいを見ています。

生きるものの側に、この子を数え入れる。そういう日です。

今日の一語 五十日(いか)の祝…… 生後五十日目の祝い。餅を口に含ませ、穀物を食べる者としての一歩を印します。

七日ぶんを、火曜の朝に。

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