
七十二候:霎時施/季語:神無月尽・行く秋・冬隣
十月が終わります。明日から霜月。暦の上では、立冬までもうわずかです。
冬隣(ふゆどなり)という季語があります。冬が、すぐ隣まで来ている。まだ冬ではないけれど、隣にいるのが分かる——この距離感を一語で言ってしまうところが、日本語の季語の凄みです。
十月は、去るものの多い月でした。田の水が落ち、菊が咲いて終わり、時雨が通り過ぎ、月は満ちきる前に愛でられる。神々でさえ、留守にしている。
そのすべてを、この月は寂しいとは言いませんでした。留守番を祀り、残り菊を惜しみ、欠けた月を見に出かける。 足りないものを、足りないまま楽しむ工夫が、十月にはたくさんあります。
明日からは、迎える季節です。
今日の一語 冬隣(ふゆどなり)…… 冬がすぐそこまで来ていること。まだ来ていない、という一点が肝心な言葉です。

