8月21日|扇(おうぎ)

蝙蝠扇

七十二候:蒙霧升降/季語:扇・白扇・扇の風

扇は、日本で生まれた道具です。中国から来たのは団扇(うちわ)のほうで、折りたためる扇は、日本の発明といわれます。

平安の扇には二種類ありました。檜扇(ひおうぎ)——薄い檜の板を綴じ合わせたもの。儀式に用い、装束の一部です。もう一つが蝙蝠扇(かわほりおうぎ)——骨に紙を貼った、片面だけのもの。夏に使う略式の扇です。蝙蝠(こうもり)の羽に似ているから、その名がつきました。

そして扇は、あおぐためだけの道具ではありません。顔を隠す。物を載せて渡す。歌を書きつけて贈る。

紙が貼ってあるということは、そこに書けるということです。扇に和歌を書いて手渡す——手紙であり、贈り物であり、顔を隠す道具でもある。

九月九日の重陽の日に、この扇を納めます。それまで、ひと月足らずです。

今日の一語 蝙蝠扇(かわほりおうぎ)…… 骨の片面にだけ紙を貼った夏扇。「かわほり」は蝙蝠のこと。

七日ぶんを、火曜の朝に。

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