
七十二候:菊花開/季語:菊・残菊・菊日和
七十二候が、ようやく「菊が開く」と言います。
お気づきでしょうか。重陽(九月九日)から、ひと月以上あとです。 菊の節句には、まだ菊が咲いていない。
これは新暦と旧暦のずれによるものです。重陽はもともと旧暦九月九日の行事で、新暦なら十月中旬にあたります。つまり本来の重陽は、ちょうど今日ごろ。七十二候のほうが、正しい菊の時期を指しているのです。
五節句のなかで重陽だけが忘れられた最大の理由が、ここにあります。桃も菖蒲も七夕も、新暦にずらしても何とかなった。菊だけは、間に合わなかった。
暦が変わると、行事が花に置いていかれる。明治の改暦が、日本の年中行事に何をしたかが、この一日によく表れています。
今日の一語 菊日和(きくびより)…… 菊が美しく咲く、晴れて穏やかな秋の日。

