
七十二候:涼風至(すずかぜいたる)/季語:残暑・新涼
今日は八月八日。八が重なります。
日本語で「八」は、しばしば数ではなく「たくさん」を意味しました。八百万(やおよろず)の神、八重桜、八十島(やそしま)、八千代。どれも、正確に八つあるわけではありません。数えきれないほど、という意味です。
日本最古の和歌とされる一首にも、八が並びます。
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに
八重垣作る その八重垣を 素戔嗚尊(古事記)
三十一文字のうち、八が四度。妻を籠らせるために、幾重にも垣を作る——その「幾重にも」を、八という一字が引き受けています。
数を数えるためではなく、多さを言うために使われた数字。今日は、そういう日です。
今日の一語 八百万(やおよろず)…… 数えきれないほど多いこと。「八百屋」の八百も、同じ使い方です。
