
七十二候:霎時施(こさめときどきふる)/季語:亥の子・玄猪・炉開き
旧暦十月の亥の日、亥の刻(午後十時ごろ)に餅を食べる行事がありました。亥の子、宮中では玄猪(げんちょ)といいます。
なぜ猪(いのしし)なのか。猪は一度にたくさんの子を産みます。そこから子孫繁栄。加えて、亥は陰陽五行で水にあたり、火難を免れるとされました。だからこの日に炉を開き、火を使いはじめる。茶の湯の炉開きが十一月なのは、ここに由来します。
『源氏物語』にも、亥の子餅の出てくる場面があります。平安の宮中では、七種の粉を混ぜた餅が配られました。
火を使いはじめる日を、火事にならない日として選ぶ。冬の入口に、こういう念の入れ方をしていました。
今日の一語 炉開き(ろびらき)…… 夏の風炉から炉に替え、冬の点前に移ること。茶の湯の正月とも呼ばれます。

